飲食店の売上・損益を手間なくかつリアルタイムに!社長の「見たい!」をfreeeで実現

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更新日時:2024/02/29 12:16

【この記事のサマリ】


どんな会社?
  • 数店舗展開する飲食店
何に困っていた?
  • 1日1時間かけて自作のExcelで売上を集計しているものの、日ごとの推移しかわからず、商品戦略に活かせていなかった。
  • 支払管理がしきれておらず支払漏れが頻発していた。
freeeをどう使った?
  • 券売機からCSVデータを取り出してExcel加工のうえfreee会計にインポート。最小限の手間で店舗別・商品別の売上データをfreee会計に取込み。
  • 請求書を受け取ったら即freee会計に登録。発生主義により月次損益が見えるようになり、かつ支払管理レポートで漏れのチェックも可能に。
結果どうなった?
  • 社長が経理に掛ける時間が大幅に減った。
  • 店舗・商品別の売上集計と、毎月の収支をfreeeで確認できるように。
  • 記帳代行から半自計になることで会計事務所の手間が削減。
  • 会計事務所としての提供価値のシフト。記帳作業だけでなく「顧問先の経営改善に繋がる情報をリアルタイムで提供する」ことに成功。

今回は、freeeの認定アドバイザーであるAさんが手がけた事例をご紹介します。舞台は人気飲食店。そのバックヤードには、食券を1枚1枚数えて手入力し、日々の売上を管理するアナログな業務が残っていました。

「業務改善は必須であるものの、当店ならではの"レトロな雰囲気"は残したい」という社長の想いに応えるため、Aさんはどんな手を打ったのでしょうか?

人気飲食店のアナログなバックヤード

――どのような店舗だったのでしょうか?

Aさん:関東エリアに複数の店舗を展開するチェーンで、特定の料理が人気となり、その道のファンなら多くの人が知っている人気店です。

――その店舗が抱えていた課題について教えてください。

Aさん:売上の金額は、社長がExcelを使って集計していました。集計には1日1時間ほどかかっていたのですが、苦労しているわりに日別合計だけしか管理できていませんでした。券売機からメニュー別の売上データは出せるのに、そのやり方がわからず「何が売れ筋なのか」が把握できない状況だったのです。

また同チェーンには仕入先が多く、払い忘れ(繰越請求)が多発している点も課題の1つでした。というのも、セントラルキッチンを持たない小規模なチェーンだけに、仕入は各店舗が別々に行っていたのです。紙ベースで管理していた請求書には常に繰越払い料金が表示されていて、滞納や繰越の増加により、実際の掛け状況がわからないという問題を抱えていました。

当事務所は、元々は他社製の会計ソフトで記帳代行だけを請け負っていて、社長からは特に質問をいただくわけでもありませんでしたが、社長からすると、顧問料の内訳などがわからないという悩みを持っておられたようです。

経理のリアルタイム化と仕入の可視化

――freee会計を導入してみて、どんな効果がありましたか?

Aさん:最大の効果はリアルタイム化、すなわち売上データが日々の試算表に反映できるようになった点です。またタグにより、店舗別やメニュー別の集計をfreee会計上で見られるようになった点も大きかったと思います。もう1つの課題だった仕入に関しても、状況がfreee会計上に反映されるようになり、支払漏れの削減や支払予定(資金繰り)の見える化に成功しました。

これらの結果、月次損益がリアルタイムに把握できるようになり、経営に与えたインパクトは非常に大きなものだったと言えます。

Point!
・売上データを日々の試算表に反映、リアルタイムに経営状況を把握!
・タグ活用により、店舗別、メニュー別売上を見える化!
・支払い漏れの削減&繰越状況を明らかに!

売上分析と支払管理の実現

――具体的には、どのようにして店舗別やメニュー別の集計などを実現したのですか?

Aさん:売上管理については元々、券売機から吐き出される食券の束を元に、当事務所が他社製の会計ソフトに手入力していました。色々試しているうちに、券売機からUSBでデータを直接抜き取れることを突き止めたのです。そのデータをExcelに取り込み、メニューを品目別、店舗を部門別として集計し、freee会計にインポートするかたちにしました。その結果、freee会計の試算表上でメニュー別や店舗別の売上が分析しやすくなったのです。

Point!
  • タグを活用し、データ取り込み時に売上分析を実現!

Aさん:一方の仕入については、各店舗が請求書を受け取ったらそれをfreee会計に登録してもらう運用に変えました。自計化でも記帳代行でもない、いわゆる半自計化というかたちです。

その結果、「これから支払わなければならないのはこれです」という一覧をfreee会計上の支払管理レポートでリアルタイムに把握できるようになったのです。また消込が自動化できる(支払管理レポートが最新化される)点についても、社長に気に入っていただき、これらにより支払漏れをなくすことに成功しました。

加えて、請求書を受け取るタイミング、すなわち債務が発生するタイミングでfreee会計に登録することで、リアルタイムに限りなく近い状態で仕入額を帳簿に反映できる状態になりました。

商品を受領した時に、アルバイト従業員がスマホアプリでその場で仕入れ登録できるようにしたのです。これにより社長は、作業が楽になったと喜んでおられました。結果として、月当たりの損益も早いタイミングで精度の高い数字として確認することが可能になったのです。

Point!
  • 請求書を受け取ったタイミングでfreee会計へタイミングで登録→支払い漏れの撲滅と月次の早期化を同時に実現!

――顧問料の内訳がわからないという悩みも解消されたのでしょうか?

Aさん:はい。freee会計の導入と共にfreee会計による半自計化も提案したのですが、デモ環境の画面を見せて支払管理レポートのイメージをお伝えしたところ、便利な機能であることにご納得され、「いくら支払えばここまでできるのか」ということも明確になりました。これまで曖昧だった顧問料の内訳をはっきりしたかたちで示せるようになった結果、当事務所に対するロイヤルティも向上したのです。

支払管理レポートにより、一部の繰越にも対応できるほか、滞納状況もわかるようになり、払ったか払っていないかがわかるようになりました。さらに「払ったのはどの月の分か」までがきちんと紐づくので非常に便利だと感じていただけたようです。

「三方良し」を可能にしたfreee

――社長の目線で見ると、売上や仕入という営業損益にかかわる部分がリアルタイムで確認できるようになったのですね。

Aさん:はい。それだけでなく、私たちが資料を預かって入力する手間が省けました。各店舗でわかるものについては店舗で入力してもらい、それ以外のややこしい会計の部分は会計事務所が入力するという役割分担ができたことで、トータルでの作業の効率化もあわせて実現できたのです。

各店舗からすると、支払うという作業がfreee会計に入力するという作業に変わっただけなので、作業量が増えるわけではありません。社長が複数のアカウントを作り、アルバイト従業員にスマホで証憑を撮影するだけで入力は済みます。そのため社長、現場、会計事務所にとって三方良しという結果になりました。

freee会計を導入してから、顧問料の内訳について納得感が高くなったことで、社長と経営パートナーとして伴走できる関係性を築くことができたのです。

社長の想いに応え、あえて券売機を残す

――飲食業界ではPOSレジを導入する流れができつつあります。

Aさん:確かにPOSレジを入れてfreee会計に連携すればいちばん良いと思われがちではあります。この飲食店の事例でもやろうと思えばできることです。POSレジでピピッとやってスマホで入力し、カードやPayPayなどで決済する仕組みを作るのは難しくありません。

POSレジを導入すればお客様の人数や性別、年齢といった情報も取得できるという点を強調したのですが、"レトロな雰囲気"を大切にしたい、という社長の想いを汲み取り、今回は券売機を活かすかたちにしました。Excelでデータを加工するという、ある意味では泥臭い業務は残るものの、経営支援の観点で言うと次月中に前月の会計情報を作るという目的を果たしつつ、社長の想いも残すことができました。

――他にもfreeeを導入したことで飲食店の社長が感じているメリットはありますか?

Aさん:「freee人事労務」も導入したのですが、スマホの位置情報を使って従業員がお店についたとき、お店から離れたときに自動的に打刻する機能を活用することで、従業員の打刻の手間が減ったうえに勤怠管理の精度が上がったことも喜んでいただけました。

Point!
  • freee人事労務(スタンダードプラン以上)で、位置情報付きの打刻が可能! 詳しくはこちら

――総括すると、どんな提案の仕方をした点が成功につながったのでしょうか?

Aさん:元々は他社製のソフトで記帳代行だけを請け負っていたのですが、決算のタイミングでこう申し上げたのです。「今までは券売機の情報と預金通帳と人件費しか把握できず、不安でしたよね?」「必要な情報をリアルタイムに提供できなくてすみません」「freee会計を使ってちゃんと見えるようにしていきましょう」――これを有言実行した点が良かったのだと思います。


ここでご紹介した記事は、匿名を条件に公開させていただきました。POSレジとfreee会計を連携すると色々メリットもありますが、今回は社長の意向を踏まえて券売機を残すことになりました。

それでも現場、社長、会計事務所の三方にとって業務負荷を減らせる結果となっています。みなさんも、色々な条件の下で仕事をされていると思いますが、この記事を参考にして、一度、業務の棚卸をしてみてはいかがでしょうか?



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