【この記事のサマリ】 どんな会社?
何に困っていた?
freeeをどう使った?
結果どうなった?
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防災設備点検に従事するB社の社長は、管理系の業務に集中するあまり、明確な目標を掲げられずにいました。クラウドサービスのfreee会計を導入したことで、先読みする力と仕事のスピードを得た社長は、煩雑だった管理系の業務から解放され、明確な目標に向かって歩き始めました。B社の業務改善を伴走支援したAさんに話を聞きます。
――今回はどのような企業の事例をご紹介いただけますか?
Aさん:社長を含めて4名という小規模な企業の事例です。ここでは仮にB社と呼びます。B社の業種は、防災設備点検です。オフィスビルで働く人は見たことがあるかもしれませんが、天井に取り付けてある煙探知機などの防災施設を点検する仕事で、多くの現場では1年に1回行うそうです。
B社ではもともと他社の会計ソフトを使っていて、記帳を含めて会計事務所に丸投げしていました。そこにfreee会計のベーシックプランとfreee人事労務のミニマムプランを導入することになったのです。
――B社にはどんな課題があったのでしょうか?
Aさん:売上・請求関連の業務に課題がありました。請求書の送付作業と、入金の管理です。これらの業務は社長一人で行われていました。Excelで請求書を作成していましたが、毎月数百件という現場の請求書をExcelだけで管理するのは至難の業で相当な労力をかけていらっしゃいました。毎月の入金のチェックもしっかり行えておらず、年度末の決算のタイミングで入金漏れに気づくということも稀ではありませんでした。
――そうした課題に対して、Aさんはどのような施策を打ったのでしょうか?
Aさん:freeeによるスマホ自計化、正確にはスマホを使った半自計化を導入することにしました。特に喜んでいただけたのは、freee会計の請求書作成機能です。
スマホがあればどこでも作業ができる点が喜ばれました。今までは、4人であちこちの現場へ行って工数を見積って、作業が終わると写真を撮って報告し、それを元に社長が事務所に戻ってから請求書を作っていました。ところがスマホ自計化を導入してからは、各社員がスマホのアプリを使ってその場で見積もりを作り、それをクラウド上で即座に社長も確認できるようになりました。もちろん、修正も簡単にできます。アプリで修正してその場でメールで相手に送ることができます。このあたりの機能は非常に喜ばれました。
また、エクセルのように枠線や改ページなどの煩わしいレイアウト調整も不要ですし、一度取引先の設定で先方の連絡先を登録しておけば、他の取引先の請求書を誤って送ってしまう、というミスも起こりません。肝心の請求内容を正しく入力するという点に集中できます。
Point!
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――他にも取り入れた施策があれば教えてください。
Aさん:入金管理レポートも、資金繰りを気にしていた社長には刺さりました。未回収状況を可視化でき、入金が2ヶ月遅れたら催促するというルールを手間なく運用することができるようになりました。1件の請求に対して1回の入金で回収されることが多いため、インターネットバンキングから自動連携された明細と請求書の消込も簡単にできました。
ここで意識した点としては、消込をする際にかならず自動登録ルール(※)を作成しておくことです。最初は大変なのですが、リピーターが多いため来年も再来年も同じ現場へ行きます。そのため1年目に頑張ってルール化をしてしまえば、翌年以降は入金間違いや取引先名の変更がないかぎり、何もしなくても入金チェックが完了します。
※自動登録ルールによる消込は一部ご利用いただけないプランがございます。詳しくはこちら
Point!
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――先ほどスマホによる「半自計化」とおっしゃいましたが、完全な自計化ではないのですね?
Aさん:はい、一部の複雑な記帳作業は私が行っています。例えば複数の売掛金の一括入金の処理です。具体的にはビルを複数管理している大口の顧客で仮にC社とします。
C社の保有しているいろいろなビルの現場については、現場毎の請求書は作成せず1か月分まとめてC社から支払通知書が送られてきます。そのためC社については請求書を作成する代わりにExcelで作成した台帳に記載し、支払通知書が来たらそのまま一緒に私に送ってもらっています。
私の方ではまず社長が作った台帳とC社から送られてきた支払通知書の内容に相違がないかチェックします。内容が一致したらExcelの台帳を加工しfreeeのエクセルインポート機能で未決済取引としてインポートします。この時にエクセル上で1列追加して「〇年〇月〇日入金予定分」というメモタグを追加しておくのがポイントです。C社からの入金明細に対して「自動で経理」の未決済取引の消込でこのメモタグを検索して一括で入金消込することができるためです。
――残った手作業の部分は毎月、何時間くらいかかりますか?
Aさん:エクセルインポートと入金の消込はほとんど時間がかからないので、台帳と支払通知書の内容チェックに手間取ったとしても30分以内で作業できています。
freeeのエクセルインポート機能はエクセルファイルの内容の制約が少なく、社長が見やすい形のExcelファイルでもそのままの形で取り込めるため、加工が最小限で済むのは助かっています。
社長はパソコンがそれほど得意ではないので、エクセルの加工や台帳と支払通知書の突合などの作業は私が行った方が速くできます。作業を適材適所に分担することで、最小限の労力でリアルタイム化を実現できるのが、スマホ自計化の強みだと思います。
Point!
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――freee会計を導入して顧問先の業務効率を高めたことで、特に良かったことがあれば教えてください。
Aさん:良かった点は目標と、そこへ到達するための道筋がはっきりしたことです。以前はぼんやりと現金資産を増やしていきたいという社長の想いはあるものの、預金通帳で残高を確認するしかできず、なかなか増えないなという感覚を持ちつつなぜ増えないのか、いくら売上を上げれば増えるのかも不明でした。今は「毎月〇万円ずつ預金残高を増やせるようにする、そのために月売上〇万円を目指す」というはっきりした経営目標と見通しを立てられるようになりました。
――社長の目標は達成できそうですか?
Aさん:達成できる環境は整ってきています。いずれにせよ、預金残高を月〇万円増やしたいという社長の経営者としての目標は、以前は見えなかったものです。管理系の業務に忙殺され目の前の仕事をこなすことに精一杯でした。今までは毎月の数字をかためることで精一杯だったのが、freee会計およびスマホ自計化を活用することで、数字をかためる時間を短縮し、数字を確認・分析することに時間を使えるようになったので、社長の目標も数字で表すことができるようになってきたのです。
社長の目線が目下の事務作業から経営目標に向いたことで、私たちとの面談での会話の内容もガラッと変わりました。
記帳を丸投げされていたB社への関与の仕方が変わり、提供するサービスの価値が上がっていることを実感しています。記帳に時間をかけるのではなく、経営課題を解決するためのサポートに多くの時間をさけるようになりました。
今後とも社長の経営判断を支えるサポートができればと思っています。
Point!
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数多くの売上先を抱えながら、事業を行っているB社。freee会計を導入し、スマホ自計化に挑戦したことで、大きなアドバンテージを手に入れました。
記帳を含むすべての会計・税務業務を会計事務所に丸投げしていた状態から、スマホによる半自計化に取り組む中で、煩雑だった管理系の業務から解放された社長は、これまで見えていなかった明確な目標に向けて走り出しました。顧問税理士のAさんがfreeeの特性を生かし、前進するB社を後押しした典型的な事例と言えそうです。