【この記事のサマリ】どんな会社?
何に困っていた?
freeeをどう使った?
結果どうなった?
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認定アドバイザーのAさんの顧問先に、思うように業績が伸びないと悩む社長がいました。従業員は日々忙しくしているのに決算になってみると利益は思ったほど残らない。その理由が分からないので対策もできない中、取引先からはさらなる値下げを要求される・・・そんな社長の悩みを解決すべく、Aさんはfreee会計のタグ機能を使って経営がリアルタイムに把握・分析できる環境を構築しました。freee会計の機能がどの様に活きたのか、経営面でどんなメリットが生まれたのか、具体事例をご紹介します。
――今回はどんな顧問先でしょうか?
Aさん:建築足場業を営む会社で、仮にA社とします。A社は例えばビルやマンションの外壁を工事したり洗浄したりする時に、足場の組み立てを行う会社です。
A社は「丁寧な仕事」をモットーとされています。昨今の価格競争の中で工数削減・コストカットを最重視する同業者もある中、足場を組む際の養生の仕方、資材の運搬方法など一つ一つの作業を丁寧に行うことにこだわりを持たれていました。
――どこに課題があったのでしょうか?
Aさん:A社の社長さんは、思うように業績が伸びないことに悩んでいました。従業員はみんな忙しくしていて時間を持て余している状況ではありません。それでも決算になってみると思ったほどの利益が上がらないのです。
また取引先から値下げの要求を受けて困っていました。社長自身が自社の強みを言語化できず、価格の根拠を取引先に説明することができなかったのです。
元々、稼働状況を把握するために、班ごとに稼働時間をExcelで管理していたのですが、「今月何時間稼働した」はわかるものの、「どの案件で何時間かかった」ということまでは把握できませんでした。
そのため値下げの要求に対して「この現場ではこういう理由でこれくらい時間がかかるのでこのくらいの料金が妥当なんです」と反論できなかったのです。
資金繰りも厳しくなり融資を希望していたのですが、現状の把握もできていないので今後の見通しについても銀行が納得できる説明ができず、融資を十分に受けられないという問題も抱えていました。
――そんな状況に対してどのような施策を打ったのでしょうか?
Aさん:請求書をfreee会計で作成することにしました。パソコンが苦手な社長や班長でも使いやすいので喜んでいただけました。
請求書作成が楽になるだけでも喜んで頂けたのですが、さらにこの請求書に分析のための工夫をすることにしました。内容欄に①稼働時間、②班の名前、③現場名を記載する運用にしたのです。日々の記録はこれだけで、別途台帳に同じ内容を書いたりする必要はありません。freee会計では請求書の内容は「取引」に連携されますので、その取引をエクスポートしてエクセルで集計できるようにしました。そうすることで、班ごと、案件ごとの原価と概算収支が一目で見られる形になり、従来のExcelより詳細に分析できるようになりました。
Point!
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――その結果経営や社長自身にどのような変化が現れましたか?
売上と主な原価(人件費)の集計が可能になったことで簡易的ではありますが現場ごと、班ごとの収支を見ることができるようになりました。収益の低い班・現場を特定し、例えば現場間の移動時間が収益を圧迫しているとか班ごとの熟練度の違いがどれくらい収益に影響しているのかなどの分析と、それを元に対策が打てるようになりました。
社長ご自身にも大きな変化がありました。それは、原価を掛けてでも守るべき「丁寧な仕事へのこだわり」を社長自身が数字の裏付けによって自信をもって説明できるようになったことです。お客様とも建設的な交渉ができるようになったと社長はお話しされていました。
また一緒に今後の経営の見通しと計画を立てて銀行に説明できるようになり、最終的には融資にもつながりました。
従来はExcelの台帳、請求書、会計ソフトの仕訳、勤怠管理ソフトなどバラバラになっていた情報を、freee会計で一か所にまとめることができ、管理の手間が省けたうえに社長は「数字による裏付け」という自信の源を得ることができました。
効率化だけではなく会社経営の力になることができる、freee会計の強みが活かされた素敵な事例だと思います。