【この記事のサマリ】どんな会社?
何に困っていた?
freeeをどう使った?
結果どうなった?
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右肩下がりの業績に悩むフランチャイズチェーンの加盟店において、freee会計の導入時に顧客分析も行った税理士のAさん。その効果、効果的な集客に成功し、当店は2ヶ月先まで予約が取れない人気店になりました。Aさんはどのようにfreee会計を使い、課題を解決したのでしょうか?お話を聞きました。
――今回はどのような事例をご紹介いただけますか?
Aさん:清掃を主業務とする、フランチャイズチェーン加盟店の事例です。もともとはすべて記帳代行で税務を請け負っていました。
その社長はいくつか悩みを抱えていました。
まず1つは売上です。売上が伸び悩んでいたのですが、フランチャイズなので価格設定やサービス内容など加盟店が工夫できる余地はあまりありません。あるとしたら地域内での販促くらいなのですが、本部管理の顧客管理ソフトではデータ分析ができないため、社長も打ち手の検討もできず半ば諦めていました。
外部要因としては競合他社が台頭してきており、価格競争によって今後もさらなる売上減少が見込まれ、社長は危機感を覚えていました。
なだらかに右肩下がりを続ける売上を見てこのままでは良くないと感じてはいても、何ができるのかかわからない状況でした。
――これらの課題にどう対応したのでしょうか?
Aさん:フランチャイズである以上、「何を、いくらで提供するか」というサービス内容は変えられないので、できることと言えば販促活動になります。つまり「どこに向けて」サービスを提供するのかというターゲットを絞ることくらいしか対応策がないのです。
手始めに、現状分析することから始めました。本部が指定する顧客管理ソフトとは別に、売上台帳をExcelで作りました。日付、金額、取引先名、サービス名、顧客属性(新規か、リピーターか)、流入経路(テレビか、ホームページか、紹介か)といった、社長が気にされている情報に加えて、私からも今後の販促に役立ちそうな項目を提案して一緒に台帳を作りました。
Excel台帳に貯めた属性はメモタグとして全てfreee会計にインポートしました。そしてfreee会計の収益レポートのグラフ機能でメモタグで絞り込みながら一緒に眺めて「どのエリアで、どのようなサービスで、どういうターゲット層に売れているのか」を分析しました。
加えて、オプションサービスを付けてもらうための施策も一緒に考えました。どのような方がよくオプションを頼まれているのかを探し、注力して提案するオプションサービスの狙いを定めました。ターゲットにするお客様とサービスが特定されたので「このサービスもご一緒にいかがですか」といったセールストークを磨き、提案方法をなるべく具体的に現場担当者に伝授しました。訪問時に必ずオプションサービスを提案することを徹底したのです。
またセールストークを盛り込んだチラシも配布しました。しっかりとターゲットを絞り込めていたので少ない広告費用にもかかわらず大きな反響があり、遂には1、2ヶ月待ちになるほど予約が取れない状況になりました。
Point!
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――収益レポートでの売上分析が販促に繋がった良い事例ですね。他にもfreee会計のレポート機能で活用されたものはありますか?
Aさん:入金管理レポートも役立ちました。振込払いのお客様もいらっしゃったのですが、案件数が多いので個別にチェックするのは大変です。先ほどのExcelの売上台帳をインポートすると未決済取引が登録されるため、インターネットバンキング連携で取り込まれた銀行の入金情報で消込をすれば、入金管理レポートで未入金を一目で確認できます。
Point!
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――この事例で、特に苦労したのはどんなところでしょうか?
Aさん:何よりExcelの処理です。本部管理の販売管理ソフトからデータをエクスポートできればよかったのですが、それができないために結局社長に手入力してもらう必要がありました。社長はそこまでパソコンが得意な方ではなかったので、項目の追加などExcelの管理は私のほうでやっていました。社長の手間をなるべくかけないよう入力項目はプルダウンで選ぶだけにしたところは、とても喜んでもらえました。
――freee会計での数字の見える化によって集客に大成功した事例のようですね。
Aさん:このお客様はもともと、現在のフランチャイズチェーンの継続については諦めかけていて、他のチェーンを探したり、別事業を新たに始めようかと悩んだりしていらっしゃいました。そこで、freee会計への載せ替えを検討している時に「メモタグを使えばこういう情報がわかり、現状の可視化もできます」といった話をさせていただきました。打ち手に困った時、あるいは現状が見えていない時、「数字をリアルタイムに見れる」環境を作ることができるというfreee会計の強みが活きた典型的な事例かもしれません。
今まで売上分析などの手法は大企業がコストを掛けて行うもので、中小企業は社長の勘に頼って経営することが多かったと思います。それを工夫次第でスモールビジネスでも行うことができるようになっています。会計数字に精通している会計事務所こそ、そのお手伝いができる立場だと思っています。
顧問先の社長は、freee会計に切り替えてから正社員を1名採用したそうです。従来は先行きが見えないためにリソースを外注に頼らざるを得ませんでした。ただ外注リソースは不安定なために売上を伸ばせないというジレンマを抱えていましたが、freee会計を導入したことで"今"と"今後"が見通せるようになり、人に投資できる環境が整った成果だと思います、とAさんは話します。諦めかけたビジネスを継続すべく、Aさんと社長の二人三脚はこれからも続いていきます。